ポケスペ

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<彼女の気遣い> とある日のマサラタウン……。 「ん、ナナミ姉さん?」 久々に我が家に帰ってきたグリーンは、姉・ナナミの姿を見て驚いた。 というのも、ナナミはマサキの元で助手をしていて、マサラの家にいるはずがないからだ。 「あら、グリーン久しぶり。ちゃんとご飯食べてた?」 「まぁそれなりには。…………それより、何で姉さんが?」 そう問われ、ナナミは『あぁ』と呟きながら、グリーンの方を再度見る。 「マサキさんとブルーちゃんに言われてね。たまにはマサラに帰って来ないとグリーンも寂しがってると思うからって」 「マサラとブルーが……………………は?」 ナナミの言葉を一瞬納得しかけたグリーンだったが、言われた言葉を再度己の口で言った事で違和感を覚えた。 「マサキと………誰だって?」 そう言われたナナミは、少々呆れながら、先程より少し大きな声でグリーンの問いに再び答える。 「だから、ブルーちゃんよブルーちゃん!あの子、貴方の事よく見ているのね。姉さん安心しちゃった」 「え………それっていったいどういう………」 「安心したから戻るわ。ブルーちゃんと喧嘩しちゃダメよ?」 「だからどういう意味」 「それじゃまた来るから~!」 バタンッ! 「……………」 わけが分からないまま去って行ったナナミがいたドアを見ながら、グリーンはその場に立ち尽くす。 暫くそのまま固まっていたが、ようやく何故このような事態になったのか理解した。 『ねぇ、グリーンってナナミさんが帰って来なくて寂しい時とかないの?』 『………別に寂しいとかそういうのはないが……たまには帰って来てほしいな。おじいちゃんも姉さんに会いたがってたし』 『………ふ~ん』 つい数日前のグリーンとブルーの会話だ。 つまり、この会話でブルーはナナミにマサラに戻るよう促したのだろう。まぁ、さすがにマサキはブルーの共犯者ではないだろうが。 「全く。……………うるさい女だな」 そう呟くグリーンの表情は、僅かに喜びの感情が見え隠れしていた。
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