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<『雨の日の最良の過ごし方とは……(後編)』>
-時刻:昼-
「ただいまー……あら?」
オーキド博士とともに研究所に戻って来てドアを開けた瞬間、ある意味珍しい光景が飛び込んできた。
「ほぉ、珍しいのぉ。あの二人が」
後から入って来た博士も、少々驚いた表情を浮かべながらその光景を凝視している。
とりあえず、このまま見ているわけにもいかないので、私は二人に話し掛ける事にした。
「そこで揃って何してるの?二人とも」
少々呆れているような物言いでゴールドとシルバーに話し掛ける。すると、結構のんびりと二人揃ってこちらを向いてきた。
「何だ、クリスとオーキドのじいさんか。結構早かったな」
「そう?あ、博士。早く二人にも例の話を」
「「例の話?」」
例の話と聞き、ゴールドとシルバーは同時に首を傾げる。
そして私は、ここに戻って来るまでに博士から聞いた、とある話を二人にもし始めた。
「誕生日?エメラルドの?」
一通り説明を聞いたゴールドが再び首を傾げる。私は、こくりと頷く。
そう。今月……5月31日は、エメラルド君の誕生日だ。
その準備や場所について、今日私達は集められたのだ。もちろん先輩達やルビー君、サファイアちゃんにも、連絡を入れるらしい。
「それで俺達に誕生会の進行役をやってほしい、という事か」
シルバーの一言に再び頷く。すると、ゴールドは勢い良く立ち上がり、やる気のある表情を見せる。
「よし!後輩の為に、一肌脱いでやるとするか!!」
その掛け声に合わせ、シルバーも力強く頷く。
「それじゃあ、さっそく三人にやってもらいたい事があるんじゃが………」
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