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誕生会に使う物を買う為、三人で外を歩いている。外で降っていた雨はすでに止み、晴れやかな青空が広がっている。
「はぁ、やっぱ天気が良くねぇとテンションも上がらねぇな」
歩きながら、ゴールドは身体を伸ばす。その様子を見て、私は思わずくすりと笑う。
私が笑ったのを見たゴールドは、今度は少し不信感を抱いているような顔をする。
「何だよ、くすって」
不機嫌そうな表情でゴールドはこちらを見てくるが、私はそれもまたくすりと笑いながら軽くかわす。
「別に?ただ、やっぱりゴールドはこうじゃなきゃ、って思っただけよ?」
そういうと、ゴールドの顔が段々赤みを帯びていく。それに気付いた私は、驚きながらゴールドの顔を覗き込む。
「えっ、どうしたの?顔赤くなってるけど」
覗き込まれたのに逆に驚いたのか、ゴールドは直ぐさま横を向いてしまう。
「ちょ、何のよ!ちょっとゴールド!!」
「うっせー!とっとと買って帰るぞ!!」
そう言いすぐに、ゴールドは走り出してしまった。
取り残された私とシルバーは、その場に立ち尽くすしか出来ない。
「何なの?いったい」
「………アイツ苦労するな」
何気にシルバーが呟く。その言葉を聞いた私は、少し首を傾げた。
「え、それどういう意味?シルバー」
問い掛けるが、シルバーはとくにこれといった反応を示さなかった。
そんな事をしているうちに、ゴールドはだいぶ先の方まで走っている事にようやく気付いた。
「って早過ぎよ!いくらなんでも………。シルバー、早く行きましょう」
「だな」
そのシルバーの一言が合図だったかのように、私達はゴールドを追い掛ける為走り出した。
雨の日の最良過ごし方って知ってるか?
本や漫画を読む?ゲームをする?そんな在り来りな過ごし方じゃダメだぞ?
え?俺の過ごし方は何かって?俺流の過ごし方はなぁ………『仲間と一緒にいる』っていう、一番最高の過ごし方だ。
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