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ある港の一角に一つの大きな影が横たわっている。
その影は眠っているようで体を小さく上下させている。
それを遠くから眺める影がもう一つ。こちらは人だ。地面まで付きそうなほど長い漆黒のローブを身に纏い、そのローブについているフードを顔が見えないくらい深くまでかぶっている。
その人は港に詰まれたコンテナの物陰から横たわっている影を眺めている。
しばらく大きな影を眺めていたが、やがてローブのポケットに手を入れて黒い携帯電話を取り出した。そして、影から目を離さないように操作して、どこかに電話をかけた。
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