戦う理由

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吉田さんが出て行くとすぐに携帯電話で電話をかけた。 「あ、母さん。久しぶり。いきなりで悪いんだけどちょっと頼みが……」 「颯斗君、先生連れてきたよ。あれ?」 柊と先生が病室に来たときにはそこには誰もいなかった。 それから数時間後、俺は喪服を着て、体の痛みに耐えながら、ある人の家を訪れていた。 俺は吉田さんが出たあと、すぐに母さんに電話をかけ、アパートに父さんの喪服を持ってきてもらった。そして、吉田さんに聞いたある人の家を訪れたのだ。 そのある人とは、俺の目の前でキメラに殺されてしまった人だ。 今回の一件での負傷者もそれなりにいるが、死亡者はこの人を含め三人も出てしまった。 俺は吉田さんにこの人の葬儀が今日だと教えてもらい、ここにやってきた。
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