日常の境界

3/32
前へ
/600ページ
次へ
「おっしゃ!!」 相馬は余程嬉しいらしく、周りの目を気にせず叫んでいる。周りの目が一斉にこちらを向き、少し恥ずかしい。 「飛鳥はどうするんだ?」 俺は恥ずかしさを抑えて、相馬の向こう側の席に座る女子学生に聞いた。 「私も今日ならいいわよ」 微笑みながらそう言うのは、相馬の彼女の河原 飛鳥(カワハラ アスカ)だ。肩の高さに切りそろえた黒い髪と真っ黒のくりっとした瞳を持ち、美人という印象を受ける俺のクラスメートだ。 「それじゃあ、カラオケが混み出す前にさっさと行きますか」 俺は鞄を背負って立ち上がった。 それに続くようにして、相馬と飛鳥も荷物を持ち立ち上がる。
/600ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26311人が本棚に入れています
本棚に追加