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元々、俺は体が丈夫ではなかった。
高校に受かったことで、中学とは違い出席日数の重要性が出てきたのだ。
俺は、なるべく休まず、学校に通うようにしなければならなかった。
先生方に報告はしているので、安心と言えば安心だった。
幸いなのが、姉がここの学校にいると言うことだ。
姉は今年で三年生になる。
学校初日、俺は正門の前で姉と話していた。
まだ、時間が早かったので時間潰しの為の雑談だ。
姉はどうやら二年生の時生徒会をやっていたそうだ。
家ではあまり学校の話をしてくれない姉の学生生活が知れて、少しばかり嬉しかった。
「コウも生徒会入ってよね」
姉はどうやら俺に生徒会に入って欲しいようだ。
「あ、そろそろ行こう」
姉はそう言うと、歩き出した。
入学初日とあって早く来ている生徒もちらほら見掛けた。
グラウンドを抜け、下駄箱近くまで着たとき。
「ここにクラスの張りだしあるから…えっと…コウは」
「四組だ」
姉より先に見つけた。
「姉さんは…」
ついでに姉のクラスも確認しておいた。
「あ、私は一組だ」
「それじゃあ俺は先行ってるよ」
そう言って俺は四組に向かった。
桜丘学園
この学校は建ってからまだそう経ってなく、新しいと言える。
たしか、今年で四年目だった。
そんなことを考えつつ、俺は四組の教室に入った。
ガラガラ
教室に入って、五人程、既に着席していた。
一瞬五人からの視線を感じた、きっと入って来た人がどういう人か興味があるのだろう。
教室は凄く綺麗だった。
驚いたのが、黒板の上にある時計がデジタルだったこと。
黒板には席の配置が書かれていて、机に名前が書いていた。
自分の名前が書かれている席を見つけると、そこの席に着いた。
鞄を席の横に掛けて座ってから数分が経った、徐々に生徒達が入ってきた。
やはり、初日なだけあって会話がない。
小声で話し声が聞こえる程度だ。
いま、話をしている人は前の中学が一緒だったのかな、そんなことを思っている内に、教室は生徒で溢れていた。
皆、それぞれ、席に書かれていてる、名前と場所を確認していた。
皆が席に着き終わる頃に先生が入ってきた。
「とりあえず、校長先生の話があるから、廊下に出席順で整列してくれ」
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