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そう言い終わると、クラスメイトは廊下に整列した。
整列中に、ふと、誰かの視線を感じた。
背筋に刺さるような奇妙な視線だった。
整列したのち、体育館に移動した。
「というわけでして…」
学校は新しいけど校長先生は古いんだな。
そう思いつつ、結局20分程度喋り続けていた。
先生方の紹介が終わり、各代表の紹介も終わった。
「それでは、生徒一同起立、国歌斉唱」
しかし、なかなか、曲が始まらない。
他の生徒もざわつき始めた。
突然、ピーーと言う音が耳を貫いた。
ビクと肩が張った。
ががが、スピーカーから、何かを引き摺る音が聞こえ始めた。
流石におかしいと思ったのか、先生達が体育館を後にした、その間も音は鳴り続けていた。
いや、音が徐々に大きくなっていた。
ガガガが
ドンドン
何かを叩く音に変わった。
皆はこの音の成り行きを気にしている様子だった。
突然、音が止んだ。
暫しの静寂が辺りを包んだ。
一瞬、時が止まった、そう思えた。
先生がステージに上がっていき、機械の故障のようです、と言った。
張っていた緊張がどっと緩んだ瞬間だった。
笑い声を上げる生徒もいた。
そんなこんなで、それ以外何事もなく、皆、各教室に戻って言った。
教室に戻る途中にまた、視線を感じた。
教室に戻り席に着いて数分
先生がなかなか戻らなかった。
20分が経とうとしたとき、最初にいた先生とは別の先生が入ってきた。
周囲を見渡したら、皆、なぜ? というような顔をしていた。
「田端先生は気分が優れないようなので、遅れてくるようです、なので代わりに私が出席を取ります」
ふと、何か異様な感覚に襲われた。 胸がちくちくと痛むような。
しかし、先生は何事もなく進めた。
結局、あの先生は最後までは戻らなかった。
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