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悪魔?余りに、非現実的な単語に、一瞬、固まった。彼女は一体何を言ってるのか、俺にそれを言ってどうするつもりなのか。
「私が何故こんな話を鶴来さんにしたのか、私は、貴方を初めて見たとき、私と貴方は似た者同士、そう思ったわ、だから、話したの、別に、信じなくてもいいわ、私は、一人で戦うから…」
彼女は一体何と戦うのか、まさか、悪魔と戦うのではないだろうか、似た者同士とはどういう事なのだろうか、様々な疑問が沸き上がる中(なか)、俺は彼女顔を見つめた、彼女の瞳の奥には何か決意の様な物が見えた気がした。
「で、俺にどうしろと?」
俺は何処かで期待していたかも知れない、非現実的な事に、まだ見ぬ、未知の領域に、これは好奇心から来るものなのか、いや、これは俺にとって人生の奇貨(きか)おくべきことかもしれない。
彼女は俺の言葉に、表情を緩めた、彼女の純粋な笑顔は、俺の胸に深く残った。
「明日の放課後に体育館に来て」
彼女、明石雪と俺の無限に続く螺旋階段を上るような奇怪な物語はこの時から始まっていたのかもしれない。
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