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虎千代が寝静まった頃
お師匠はロウの灯りすら点けず、考え事をしていた。
『長尾家当主・晴景…
噂に知れる貧弱でヘタレ。
そんな主が領土を守れようか…
いつ謀反が起きても可笑しくない…
戦のいの字も知らぬ虎千代が後を継ぐ?
阿呆にも程がある…
虎千代はまだ若い。
若さ故、恐ろしい…
危ういのだ。
仏様…いや…
多聞天様。
どうか虎千代を御守り下され。』
‐ 多聞天 ‐
戦国を知る人なら聞いた事が有る
【毘沙門天】である。
かつて四天王と言われた仏教の神様。
多聞天は【戦・争いに勝つ神】として天皇に納まっている。
日本への由来名は
多聞天から毘沙門天と伝わった。
仏教の習わしで
多聞天が
[子を1人出家すれば一家安泰。災いは起きぬ。]
と名言を言った説がある。
それを一番最初にやってのけたのが
美濃の国(岐阜県)
主・斎藤利政(斎藤道三)
である。
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