林泉寺の六代目

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  「虎、今の長尾の立場をお分かりだろうか…   今の兄の状況がお分かりだろうか…   虎が戻られ、乱戦の中、待つのは【死】。」   「【死】を恐れたら何も出来ない!」   「ですね。…私はかの同盟国の伊達植宗様に会って来たのです。 戦とは?を問い続け… 虎に必要な文学を教える為に。 学びなさい。全ての学問を 頭に入れるのです。 やがてその知恵は例えとして必ず役立ちます。   学びなさい。   して…      【戦国大名】      になりなさい。」     お師匠は虎千代の両耳に手を当てて見つめながら言うと しばらく2人は時が止まり静止した。   虎千代はホッペが潰れると口を尖らせた。   「プッ!失敬…」   冗談半分で言った様に聞こえた虎千代だったが…   お師匠は真剣だった。     『解るとも…今の虎には、笑って返すしかなかろう… だが…解って頂きたい… この熱い思い。』  
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