林泉寺の六代目

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  虎千代は呆然とお坊さんを見つめ言った。   「お坊さんはここ長いの?」   お坊さんは虎千代に笑顔を見せると近場の石に座り言った。   「そうだね。長い時をここ、林泉寺で過ごしたよ。 ところで虎千代様は武家の一族とお聞きしたが…」     「あた…っと… 我は末子ゆえ…」   「生を受けた時代が悪いのか… はたまた…一族の後継ぎ隠しなのか…」   お坊さんは遠くを見ると 虎千代は下を向き黙った。   「さて、寺を案内しよう。 付いていらっしゃい。」   お坊さんは立ち上がり寺へ戻ると 虎千代は小走りでお坊さんの後を着いていった。
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