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虎千代は呆然とお坊さんを見つめ言った。
「お坊さんはここ長いの?」
お坊さんは虎千代に笑顔を見せると近場の石に座り言った。
「そうだね。長い時をここ、林泉寺で過ごしたよ。
ところで虎千代様は武家の一族とお聞きしたが…」
「あた…っと…
我は末子ゆえ…」
「生を受けた時代が悪いのか…
はたまた…一族の後継ぎ隠しなのか…」
お坊さんは遠くを見ると
虎千代は下を向き黙った。
「さて、寺を案内しよう。
付いていらっしゃい。」
お坊さんは立ち上がり寺へ戻ると
虎千代は小走りでお坊さんの後を着いていった。
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