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コンコン、と突然ドアを指でたたく音がした。
「はい、どちら様……」
「よっ! 行こうぜ? あんまり遅いとみんなきちゃうしさ。」
玄関の前に、笑顔で立つ安達。
思わずつられて吉川も笑顔になった。
「なんだか、似てるなぁ……」
「ん、なになに?」
お兄ちゃんに、ね。
キョトンとした顔の安達をよそに、優しく微笑んでから、バッグを肩にかけ黙々と準備を整えた。
「さ! 行こっか!」
「う、うん……?」
なんだろ、さっきなにか言われた気がしたけど……俺の気のせい?
クエスチョンマークを浮かべつつ安達は吉川の後ろを追いかけた。
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