目標は目の前に

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「さぁて、目標は決まったことだし? ちょうど時間だ。グラウンド整備しとこうぜ」 「え? 今日ここで一面練習じゃないのか?」 「ああ、監督が急に、ミーティングしたいって、ほらさっきの呼び出しな」 なんだ、予定変更か。 せっかく一面グラウンド使える休日なのに。 「みんな、多分もういるし」 「え? なんでみんな予定変更知ってんの」 なんて半分驚きながら野暮な質問をしてみた。 「亜澄ちゃんを待っている間に全員に連絡しただけだよ」 と、二葉からはなんとも普通な答えが返ってきた。 だろうな。だと思ったけど、なんだろう。さっきからこの疎外感は。 吉川さんも二葉と以心伝心しているし、他の連中も知らない所で二葉と連絡とっているし。 無駄に寂しいだろいい加減にしろ! 「じゃあ、安達君と二葉君とはここでお別れかな? 私達とはまた集合場所違うみたいだし」 吉川さんが、後ろに手を組んで小首をかしげていた。 ちらりと二葉を見ると、案の上、頬を緩ませていた。 可愛いね、確かにこの仕草は反則かもしれない。 「んじゃー、とりあえずその変更になった集合場所に行くか。グラウンドは、ブルペンだけ整備していくか」 と、二葉と吉川さんを促して、そそくさと整備した。 5分程度の整備の後、俺達は、監督の緊急ミーティングへ足を運ぶのだった。 吉川さんとは、しばしのお別れだ。
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