ウラとオモテと孤独な男

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「手応えがねェヨ」 侵入禁止(キープアウト)は手を振って血液を落とす。 彼の足元には無数の銃弾と人間が二人横たわっていた。 「オレを殺そうなンざ、二百年早いってンだ」 白い髪の毛のなかで、飛び出したアホ毛が月に照らされている。 「さて、今夜はちょっとキてるぜ」 そう言って彼は何もない空中に一歩足を出した。 ギシ、と空気が音を立て彼の足が固定された。 「さァて、次の獲物はドコかなァ?」 ギシギシと、音を立てながら、彼は空を歩いている。
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