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「ホントにこれでいいのか?」
浜面は拳銃をしまいながらとある人物に話しかける。
「上出来だよ」
くっくっ、と含み笑いをするその影はやけに小柄だ。
浜面のような大人ではない。
高校生のようだった。
「あんたには頑張ってもらうよ浜面さん」
小柄な男は浜面の肩をポンと叩く。
「大事な大事なあの人を返して欲しかったらね」
じゃーねー、と手を振りながら小柄な男は闇に消えた。
ポツンと残った浜面は歯を食いしばりながら壁を叩く。
「くそっ…!!」
浜面はケータイを開く。
待ち受けには、若い頃の浜面と、ひとりの少女。
「相棒…オレはどおすりゃいいんだよ」
その夜は独りの男の叫びがずっと響いていた。
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