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「…うるっせぇな」
不幸だーっ!!という叫び声を聞いて更科技巧(サラシナギコウ)は呟いた。
彼が立っているのはとある学生寮の駐輪場だ。
ほとんどの学生が寮の中にいるにも関わらず、彼がそこにいる理由は簡単だった。
人を、殺すため。
「杯月(サカヅキ)。いつになりゃあ俺は動けるんだよ?」
手元にあるスピーカーに口を寄せ、技巧は言う。
『待テ。もう少しダ』
スピーカーから帰ってきた声に、技巧はため息をつく。
「ダウト」
それだけ言って技巧は通信を切った。
もう少し、という言葉をもう何回聞いたことか。
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