越前リョーマ

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ガタン ゴトン 携帯片手にその小さな身長に不釣り合いなテニスのラケットバックを背負い、 揺れ電車の中をゆっくりと移動していた。 少女は足を止めた。 いや、正確には止めざる終えなかった。 なぜなら目の前に馬鹿みたいな大声でしゃべり通路側が歩きにくくなっているのだ。 (次の駅までにリョーマに会えるかな‥?) そんな事を考えながらその止まらざるおえなかった原因達を冷ややかな目で見た。 しかし、 一向に原因達は気づかない… あら? お孫ちゃん? それらに囲まれるようにして少女の良く知った子が困り顔で座っていた。 「あっはっはっ!! お前ら自分のグリップの握りも知らねぇのかよ」 うっさいわね… それがどうしたって言うのよ… 「トップスピンを打ちてーんならウエスタングリップだろ!!」 立っていた原因その1はあろう事かラケットを出しだした。 「こうやってラケットの面を立てて握手する感じで握んだよ」 はぁ… たまに居るよね… 間違っている握り方を自慢し始めるしまつ。 「おぉーっ流石佐々部!!」 ブン 「ばーか常識だろ!!」 ブン 終いには素振りまで始めてしまった。 馬鹿はどっちよ… まったく。 佐々部と呼ばれた原因その1のラケットは少女の肩ギリギリを通っていく。 「「ねぇ、うるさいんだけど」」 少女が声をかけるとその声はもう一つの声と綺麗にハモった。 リョーマの声? その声は少女の良く知った声だった。 二人の声でその場にいた一同が声の主である二人の方を向いた。 少女もハモった声の方をみた。 「リョーマ…」 やはり知っている人物がそこに座っていた。 「は?おっと…」 あっけに取られていた原因その1(佐々部)はスルリとラケットを落としてしまった。 そのラケットはバタンと音を立てて、 原因達の足元に倒れた。 「オマケに通れなかったんだけど…」 とどめと言わんばかりに少女は見下した。 「だっはっはっ!! まいったぜ小学生(ガキ)に注意されちゃっ…」 原因その1(佐々部)はそのまま腰を曲げて、 床に落ちたラケットを拾おうと手を伸ばした。 原因その1(佐々部)がラケットを握った瞬間… 「「ピンポーン」」 またしても、 二人の声はきれいにハモった。
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