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「そっか…あ、朝は何食べる?
と言ってもあんまないけど…」
「何でもいいよ?」
「いや、でも…よし。コンビニ
行こうか」
「えっ?今から行くの?」
「だって仕方ないだろ?」
「え~でもぼく髪ボサボサ…」
「ほら、コレ着て。さくらんぼ
ヨーグルト買ってやっから」
「う~…紅ちゃんの鬼畜ぅう」
き、鬼畜って!どこでサクはそ
んな言葉覚えたんだ。
俺はサクにジャンパーを被せて
玄関を出た。
コンビニまではそんなに距離が
無いけど、サクが風邪を引いた
ら困るから厚めのを着せた。
「……さっむいよぅ、」
「……。」
「紅ちゃんの鬼畜、無慈悲、ス
パルタ、新手のイジメだぁ」
「ほら、手貸して」
「……?」
「こうすれば…少しは温かいだ
ろ?」
「っ、うん…ありがとう」
俺のコートのポケットにサクの
手を突っ込む。
サクの手は冷たくて、じんわり
温度が伝わってきた。
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