日常茶飯事

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「紅ちゃんの手、温かい」 「…多分、サクの手が冷たいんだよ」 「そ…うかなぁ?冷たいんだ」 「サク、知ってる?」 ん?って顔するサクにポケット の中で手をギュッと握った。 「優しい人はね…手が冷たいん だって…」 「……俺?手冷たいの…」 「知ってた?」 「ううん、知らなかったよ…? 多分昔の俺も知らないと思う」 「そっか」 多分今俺はすごく頬が緩んでる と思う。だって幸せだから。 サクは俺に幸せをくれるんだ。 「あ、紅ちゃん。もうコンビニ だよ…?」 「そう、だな。入ろっか」 気まずそうに目を合わせるサク に、そうだよなと心の中で自分 を納得させて繋いでいた手を名 残惜しく離す。 サクは可愛いし華奢だから中性 的に見えるけど、実際背はサク の方が高いしやっぱりサクはれ っきとした男なんだよな。 だけど、俺は…… 「紅ちゃんっ、さくらんぼヨー グルトあった!」 「…お、良かったな」 こんな恋初めてだから、俺はど うしていいか分かんないだよ。  
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