木実さん宅

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「コーヒーって飲める?」 「え、あっ…あの…」 「…もしかして緊張してる?」 「……。」 俺は首を縦に振って頷いた。 失礼だよね、きっとここに来た のも紅ちゃんが頼んだからだろ うし。 怖くて顔を上げられないでいる と、ふわりとシトラスみたいな 香りがした。 「ねぇ、顔上げてよ。ちなみに 俺怒ってませんからね?」 「……っえ?」 け、敬語混じり?何かすっごい 意外性ありありなんですけど。 思わず顔を上げたら、そこには 綺麗な顔があって驚いた。 「ね、怒ってないでしょ?」 …チカさんは笑顔だった。 「そんなことで怒る程、心狭く ありませんよ?」 「うそっ、マジ…すか?」 「んふふっ、マジです。…貴方 面白いですね」 「そうっ…ですか?」 「敬語無し。」 「えっ?!いきなりそんな…」 「言ったらキスしますよ」 「……分かった」 それから二人でいろいろと話し てみたら、俺はチカと気が合う ことに気付いた。 何でコワいなんて思ったんだろ う?って程、打ち解けた。  
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