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「……失礼しましたー」
「涼介!」
そそくさと扉を閉めようとしたのに、馬鹿悠が俺を見つけて立ち上がりやがった。
まだ授業中なのに、大声で名前呼ぶなっての。
「先生!俺、昼食いに行ってくるンで~!」
「……ちょ、待て!授業はまだ終わっとらんぞ!」
先生が慌てるのも気にせず、悠はビニール袋引っ提げてこっちに走り寄ってくる。
な~にやってんだか、お前は……。
「んじゃ!」
止める間もなく、にこやかに手を振って俺と一緒に教室を出ていく悠。
「待て光坂ァァ!!」
ぴしゃりと閉めた扉の向こうからは、案の定教師の怒号が聞こえてきた。
「行こ!屋上でいい?」
「あぁ」
呼び止める声をスルーして俺の手を引いて走りだす悠。
ったく……無茶しやがる。
繋がれた手に戸惑ったけど、俺達は逃げるようにその場を後にした。
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