アラフォーでの再会

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富貴子は元気がなかった 結婚はしているらしく、左手の薬指にはリングが光っていた 私はサラダを作りながらいろいろ思い出していた なんであんな裏切りしたり、別れ方したのかな… 今思えば塚本先輩はどうでもよかったような気がする。私はただ優しくしてくれる男が欲しかっただけなんだ 幸せだった富貴子から、小さな幸せを奪いたかっただけなんだ その時自宅の電話が鳴った 『もしもし?』 『俺、卓也。ご飯食べたの?』 『まだよ、これから。今作ってるの』 『なんだ、じゃあ俺もマンションいくよ。スーパーでオードブル安くて買い過ぎた』 『いらっしゃいよ。びっくりするわよ』 『何かあったの?恋人きてるとか?』 『そんなんじゃないの!すぐ来て』と私は電話を切った 卓也も私には結婚望んでるんだ… おじいちゃんやおばあちゃんも死ぬまでそういってたな… うちの小さな仏壇にはお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんが入ってる 私は七瀬と言う苗字を捨て、安部鈴子になった。お母さん方の姓である お父さんの位牌は、お父さんの兄弟がみている 私はあの人を絶対許さない!
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