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『姉ちゃん、思いきりいいな』と卓也は笑った
『でしょう?丸刈りにしてもよかったんだけど』
卓也はオードブルをテーブルに置いた
『ワイン買ってるからね。先にお母さん達に挨拶なさい』
仏壇の前に座ると卓也は線香に火をつけた
そしてリンを鳴らすと手を合わせた
『姉ちゃん、連休はどうすんの?』
『私は連休なんて関係ないな~年中仕事で年中連休だからさ。卓也どこかいくの?』
『今年は連休長めだから北海道とかいこうと思って』
『いいんじゃない?彼女と?』
『いや、あいつとは別れたんだ』
『どうして?結婚の話しまででてたのに…』
『まあいろいろな…さあ食べよう』
『まさかお父さんの事…?』
『関係ないよ。また新しい彼女作るって。心配しないで』
きっとあの男の事が彼女側にばれたんだ…卓也が大学生の頃も同じ事があった。すごく馬鹿にされて、罵られた
私達は何も悪い事してないのに…
私はがっくり肩を落とした
『姉ちゃん、気にすんな。俺は自分結婚するより、姉ちゃん守るほうが大事なんだ。だから姉ちゃんこそ幸せになれる相手探せよ』
ワインを飲みながら卓也は笑った
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