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華やかな仮面
白亜の城のような豪邸だった
お手伝いさんが何人かいて、部屋も沢山あった
通された部屋は庭側がガラス張りになっていて、豪華なテーブル、ソファー、暖炉…家族の写真が飾られていた
『富貴子の実家もすごいけどご主人もすごいわね。何かペット飼ってる?実家には犬が二匹いたわよね』
『残念ながら主人が動物嫌いで…子供達は欲しがってるんだけどね…しかたないから時々実家で犬と遊ばせてるの。勿論前の犬は死んじゃったけど』
『勿体ないね、こんな広い庭なのに』
そのうちお手伝いさんが、ケーキと紅茶を運んできた
『このケーキ覚えてる?コーキドケークのロールケーキ』
『うん!富貴子の家に遊びにいったら必ずでてきた…』
『いまでもうちはあそこのケーキなの。子供達も大好き』
『富貴子もすっかりお母さんね』
『鈴子は結婚は?』
『私はしてないわよ。卓也社会人にするまで必死で。今ようやく手がはなれて、私がのんびりしてるってとこかな…いまさら子供は産むつもりないし、一生独身でいいの』
『がんばったね…恋人もつくらないの?』
『めんどくさいわ…仕事だけで精一杯』
私は紅茶をすすりながら庭を見つめた
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