慰安旅行

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車両の真ん中辺りの座席に陸と恵が座り、その周りをバスケ部員がぎゅうぎゅう詰めて囲んでいた。 恵は得意気な顔でペットボトルの甘い紅茶を飲む。 「まさか片瀬にやられるとはな~」同級生の渡辺が苦笑した。 「そうだよ、私だってやるときはやるんだからね」 「ほんとまじでショックだよ」 「片瀬にやられる日がくるとはね…」 「俺暫く立ち直れないかも」 「へこむわ~」 「…」 男達の態度に人をなんだと思っているんだと恵は気分を害しだす。 「ほ~んと、私にまで隠すなんて、信じらんない」 更にさくらは膨れながら恵の頬をつねった。 「痛いよ…」 「で、一体どうなってるんだよ?陸が来るなんてさ」同級生で元副キャプテンの伊藤が尋ねる。 「もしかしてまた付き合ってるのか?」
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