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確かに中学時代に男性アイドルのコンサートに友人と一緒に行った事はあるが、それは中学までの話で、バスケ部員達には話していないのにどうしてそれを皆が知っているのかが恵には全くの謎だった。
「片瀬くんアイドルが好きだったの?」田畑が目を丸くする。
「そうですよ。それ以外の男は芋虫だって言ってたんだよ、な?」
「言ってないですっ!」話した事の無いアイドルの話しどころか言った事もない話しまでされて恵は目一杯否定した。
「それで陸くんと付き合ったの?!顔で選ぶなんて酷いっ!」悔しそうな顔で言いながらなぜか田畑は陸の胸に手を当てる。
その時電車のアナウンスが鳴り、目的地到着の知らせが流れた。
「降りる準備をしますよ」陸が笑いながら田畑を押し立ち上がる。
男達は残念そうにしながらも自分達の荷物を取りに離れ、恵もホッと安堵の息を吐いた。
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