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何回電話を掛けても、ドライブモードで繋がる様子を見せない。 お願いだから、 はやく帰ってきてくれよ…。 京さんが帰ってくるまで、 この家から動きたくない。 その日は、どうしたものか空が泣いていて昼間だと言うのに辺りは薄暗かった。 ジメッとした空気と、鼻の奥を突くような雨の臭い。 とてもじゃないけどテンションが上がるような天気じゃなかった。 食卓机の上に置いてある、3日前に作った夕飯。 もう、食えない。 そうだ、作り直さなきゃ。 いつ帰ってきてもいいように。 京さん、何が食べたいかな。 カレーとか? いや、 やっぱり家だし和風のものが無難にいいかな。 指を交互に組んで、机に肘を立てて頭の中は心配と夕飯の事をぐるぐると渦を巻くように考える。 ガチヤ.. きょ、!!!!!! 玄関の開く音で京さんが帰ってきたと椅子から立ち上がる。 苦手なスリッパを引き摺って、玄関の京さんに駆け寄る。
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