日々の日常と、努力と。

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見た目こそはお人好しと言う性格を体現するような顔だけど、打ってよし、守ってよし、走ってよしの三拍子揃ったすごい人なのだ。 「百川さんにか。あの子に何かと気に入られてるみたいだね。羨ましい。」 いつも、ニコニコしている表情は変わらないが、視線に少しばかりか、殺意を感じるのは、気のせいでしょうか? 「羨ましいですか?どうせなら、変わってほしいっすよ。この立場。」 俺は心からそう思うし、できることならそうしたいですよ。 坂木先輩みたいな人の見る風景は、また俺とは違うんだろうな。 せめて、一ミリでも、この人に近づけたらいいなと、野球を続けている。 「雪走。とりあえず、球受けてやるから、グローブしろ。」 そう言うとミットを被り、距離を取り始める。 元々、俺はファースト志望だったのだけど、先輩の強い推薦で、ピッチャーに転向することになり、早二ヶ月。 色々と難はあるけれど、それなりに形になってきてはいる。
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