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「おはよう。ミスターマサル・ウリュウ。」
どこから、音を出しているかわからないが、部屋のそこら中から聞こえる。
その声は少し幼く聞こえて、あの施設で知り合った少女のことを思い出す。
その瞬間に激しい頭痛が襲い、あのことがフラッシュバックされる。
「…~~~~~~ッ!!」
唐突に、そして、想像以上に痛く、その場に頭を抑え、意識が遠退いてきた。
「大丈夫か?」
先ほどの声が抑揚のなく、室内に響く。
「アンタ、誰だ?」
とても意識を保っているのが辛く、自分でもよくこんな質問したのかよくわからない。一言で言うなら、「混乱していた」というしかない。
「私か?私はモカ・マキアート軍曹。いわゆる軍人だ。」
思わぬ自己紹介に驚き、また混乱が深まる。
「面白いやつだな。君は。」
同じ声だが、先程とは違い、明るくなっていた。
「なにがだ?」と一言が出ず、どこをみたらいいのかわからず、ただ、天井を睨み付けた。
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