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「今度から“ジョイ”とよんでくれないかなぁ?」
とても愉快そうに喋るそれは、大量殺人を起こしたとは思えないほど明るい。
「まぁ、『今度』なんてのは、瓜生くんには無いけどね。」
俺の首に、化け物とかした長い爪、いや、鋭利な刃物に近いそれを近づける。
あぁ。俺は死ぬのか…。
何もかも無くしたのだ。それでも、いいか。
『また、諦めるのか!?』
また聞き覚えのある、別の声が、頭の中で響く。
それと同時に炎から、新たな物体が現れた。
ジョイとよべといったそれとは、対照的にその面は、憤怒の炎でたぎるような表情をした鬼だった。
「パワースーツ001オーガ。完成してたの!?」
それはジョイに体当たりを食らわし、その勢いのまま、フロアの壁をぶち抜き、炎のなかに消えていく。
一瞬の邂逅。
それが、憤怒の炎に身をごがした俺の一生を共にするそれとのものだった。
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