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「おい!雪走。」
ガシャンと音をたてなる金網に少しびくつく俺。
今、野球場のマウンド裏で、俺、雪走 大輔(ゆはし だいすけ)くんは、不良の先輩三人に脅迫されてます。
ぶっちゃけ、半泣きしたいです。
「無理ですよ。あいつと先輩を会わせて…」
あなたの彼女になるよう恋のキューピッドになれ。なんてと言いたかったけど、それはあいつの嗜好の範囲だから完全に否定できないので、言葉を飲み込んだ。
あいつは、つよい男が好きだ。
少なくとも、この目の前にいる黒豚にドレッドヘアーなんてゆう悪ふざけとしか言えないようなルックスでも。
強ければ、彼女は受け入れるだろう。
「だから、何が無理なんだよ!この睦 武臣(むつ たけおみ)に無理なんてあるか!!」
やつの唾が顔にふりかかる。
最悪だ。俺、さっさと練習に戻りたいんっすけど、もうすぐ大会近いから。
なんて、呑気に構える反面。そんなこと、口が裂けても言えない臆病な性格で、すごく情けなくなりますわ。ホント。
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