乱れた歯車

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私は、腰が抜けて立てないでいる多御の手下に近付いて 『情けないわね…大人しくしてればいいのに、…馬鹿ね。』 そう言って、その手下にもナイフを刺してやった。 浅く刺して死なない程度にやったのに気絶しちゃった。 『…』 目を覚ました時に騒がれたら困るので、ロープで縛って口をガムテープで止めた。 不意に足下に落ちていたライターが目に入って拾って見た。 『…六本木ナイトクラブ。』 薄汚れた字でそう書かれていた。 柄が、アゲハをモチーフにしていて綺麗だった。 それに見とれながら、なんとなく弄っていた。 カチカチ… 『…ッ!熱ッ!』 ライターの火が、私の手に当たって思わずそれを振り落とした。 それが不幸と出会いの始まりだった…
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