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『ウワァァァァァァァァァ!』
この時、私の中で何かが崩れる音がした。
理性を保つ鎖が千切れた感じ
『言うな…言うな!』
私はもう獣同然だった。近くの机に置いてあった刃の鋭いナイフを握り多御の心臓目掛けて刺した。
ブスッ…
「!ハッ…ウァ。血が、血…。
ギャァァァァァァァァア!し、死ぬ!誰か助け…」
まだ口やかましかったので、今度は頸動脈を切った。
切った瞬間血が噴水の如く噴き出し、私の体全体を鮮やかな紅に染め上げた。
「ヒィ。…もう分かったから…これ以上は。」
『今更?笑わせるんじゃないよ!』
まだ死なないから喉を深く切ってやった。
そしたら多御は、言葉の代わりにヒョウヒョウと奇妙な音を出して悶絶していた。
今冷静になって考えたら、その時私は凄く残酷な殺し方をしていたんだと思う。
…もう遅いけど。
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