訴えるYAKUZA

2/6
前へ
/6ページ
次へ
今年21になったハタオはアミノ会系サプリ組の暴力団員であった。 パンチパーマに鬼ゾリのハタオが街を歩くと、周りの者は避けてくれる。 気持ちよかった。 その日もハタオは肩で風をきり、商店街をぶらついていると、向こうから歩いて来た男と肩がぶつかった。 ハタオは、たいして気にも止めず、行こうとしたが、相手は立ち止まり 「コラ、待たんかい」 と怒鳴った。 「あ?」 ハタオが振り返ると、そこに立っていたのは、歳は30くらい、スポーツがりで 眉がない。 一見して同業者と判る男であった。 「なんやコラ。人にぶつかっといて、挨拶ないんかい」 凄みながら眉なし男は寄って来た。 「毎度どーもとかいえばよかったんか〓」 ハタオも凄んで見せた。 すると男はハタオの胸倉をグイッとつかんだ。 「おまえ殴ったろか」 しかしハタオは落ち着きはらっていた。 「おおー殴ってみいやー。せやけど、ここで俺に手ェ出したら、おまえ、 暴行罪や。 警察に捕まんねんどー。 ええんかー、おー」 眉無し男は妙な顔つきになり、その手を緩めた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加