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side*S
蒼太くんと同じ班での仕事は、あの事件以来になるのか。
あれから幾年か経った今でも、アノヒトとの思い出は薄れるどころか、気を抜けば一瞬で色鮮やかに甦り、俺を苦しめるから。
何もかも無かったかのように心を殺し、ひたすら仕事にうち込んできた。
でも、自分が選んだメンバーの関係が良好であればあるほど、あの人がいた頃の自分達を見ているようで。
度々そんな錯覚に陥って、胸が締め付けられるように苦しくなる。
必死になって平静を装おうと、再び心に鍵をかけた。
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