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side*A
リーダーが緋ーちゃんの腕を掴んで、凄い勢いで部屋を出ていって。
突然だったからちょっとビックリしたけど、2人の様子が気になってすぐに後を追いかけた。
非常階段のドアを出て行くのが見えたから、ドアに近づいて外の様子を伺う。
さすがに話し声は聞こえないけど、どうしても心配で、非常階段に近い部屋の中から、窓ごしに見守る。
らしくない険しい表情で何か怒ってるようなリーダーと、少し困ったような笑顔で話を聞く緋ーちゃん。
突然、リーダーがいつもの穏やかな顔になって、緋ーちゃんをぎゅっと抱きしめた。
次の瞬間、緋ーちゃんのいつもの優しい笑顔が一瞬で消えた。
代わりに現れたのは背筋がゾッとするような冷たく暗い瞳と、何の感情もない顔だった。
驚いたのはそれだけじゃなくて、リーダーから離れた瞬間、いつも通りの優しい緋ーちゃんに戻ってた事で。
どっちの緋ーちゃんが本当なのか、ちょっと混乱して、暫くその場を動けなかった。
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