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しかし、転入生に興味のないあたしは、一人静かに小説を読み始めた。
その時、後ろから指で突かれた。
あたしは小説を置いて、後ろの席を振り返る。
「柚花、どうしたの？」
あたしの席の後ろには、柚花が座っているんだ。
柚花は、興奮気味に口を開く。
「霞澄、本なんか読んでる場合じゃないよ。今、転入生が入ってくるところなんだから～」
「解ったわよ、見ればいいんでしょ」
柚花にそう答えて、あたしは仕方なしに柚花を始めとする他の生徒同様、教室のドアの方へと眼をやった。
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