男不信の少女

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しかし、あまりにも少年が申し訳なさそうに謝るものだから、あたしは余計に申し訳なく思った。 あたしは戸惑いながらも、取り敢えず自分も少年に謝る。 「あたしこそ前を見てなくて……、ホントにゴメンなさい」 「次からは、お互い前を見て歩こうね。じゃ、俺はこれで」 そう言い残して少年は、軽く片手を上げて、あたしの前から去っていった。 後に残されたあたしは、ただ呆然とその場に立ち尽くす。
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