失恋ソング

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──あたしはたった今、フラレマシタ。 『ごめん。篠崎のこと、そういう風には見れないんだ』 はは、もう少し違う言い方してくださいよ、先輩。 まあ、ここまで言われたら諦めるしかないんだけどね。 放課後の体育館裏。 いっそ不良のようにタバコを吸ってしまいたい今日この頃。 ベッタベタなのは分かってたけど、恋愛初心者のワタクシめには“少女漫画”のような“ここ”しか思いつかなかったわけで。 ちくしょう。 やけ酒もしたいわ、ちくしょう。 壁に背中を預けて、スカートなんか気にしないでしゃがみこむ。 ふーっと息を吐く。 暑いなー、まったく。 まだ5月も始まったばっかだってのに。 雑草は青々としてるし。 夏ですかー、コンニャロウ。 誰もいない。 聞こえてくるのは体育館で部活するバスケ部だったり、校庭で走る野球部の掛け声などなど。 あーあ。 今日は頑張ったのにな。 初めて巻いた、日に焼けた黒髪。 校則に引っ掛かんない程度だけど、一生懸命やった化粧。 いつもより二回も多く折ったスカート。 それもこれも、先輩に少しでも見てもらうためだったのにな。 それも玉砕。 完膚なきまでにやられましたよ。 「んー?」 聞こえてきたのはアップテンポのラブソング。 ちくしょう。 携帯までもがあたしを惨めにすんのか。 この曲はアイツの設定。 ちくしょう。 キサマが惨めにすんのか。 開けば何のことはないただのメール。 『今日はカラオケじゃなかったかー。テメェ……忘れてんだろ』 イエス。 忘れてました。  
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