第2章[訪問]

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凜が千世と別れて真っ先に向かったのは夏川わんぱくセンターだった。 長いこと電車に揺られる。 めまぐるしく変わる風景を眺めながら、凜は手紙を書いていた。 千世と仲原の結婚式の日、届くように。 赤ちゃんのことと、凜のことを忘れて欲しいということを書いて、凜は手紙を折った。 もうすぐ夏川駅だ。 凜は涙を押し止めて、手帳を開く。 凜と千世が寄り添って笑っている写真。 孤児院で酷い虐待を受けていた頃なのに、二人とも、幸せそうだ。
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