第2章[訪問]

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改札を通ると、ただ一面にすすきが揺れているだけだった。 「…」 この道を昼間に見るのは初めてかもしれない。 凜は、すすきの中の浅い獣道を辿って行く。 しばらく歩くと、夏川わんぱくセンターに着く。 凜は、その佇まいに唖然とした。 門は赤黒く錆び付き、壁には蔦が蔓延っていた。 雑草が伸び放題の中庭を通り、薄暗い門を叩く。 ドアが開かれた。 「凜ちゃん…」 痩せ細った川村さんが出て来る。 川村さんはそっと凜を抱きしめて、中へ招き入れる。
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