第3章[出発]

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千世は家を飛び出した。 夏川わんぱくセンターへは、電車で2時間以上かかる。 早い方がいい。 「いってらっしゃい」 寛は優しく抱きしめてくれた。 赤ちゃんがいる身で遠出なんて、凜は怒るかもしれない。 でも、きっとそれ以上に喜んでくれると思う。 秋山駅に着くと、すぐに電車が来た。 不安と期待と責任感。 千世は空席を見つけて座ると、膨らみ出したお腹をさする。 やっぱり凜は怒りそうだ。 赤ちゃん、ちゃんと育っているといいな。
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