926人が本棚に入れています
本棚に追加
千世は家を飛び出した。
夏川わんぱくセンターへは、電車で2時間以上かかる。
早い方がいい。
「いってらっしゃい」
寛は優しく抱きしめてくれた。
赤ちゃんがいる身で遠出なんて、凜は怒るかもしれない。
でも、きっとそれ以上に喜んでくれると思う。
秋山駅に着くと、すぐに電車が来た。
不安と期待と責任感。
千世は空席を見つけて座ると、膨らみ出したお腹をさする。
やっぱり凜は怒りそうだ。
赤ちゃん、ちゃんと育っているといいな。
最初のコメントを投稿しよう!