926人が本棚に入れています
本棚に追加
千世の隣にしゃがみ込む。
なんと言うべきかわからない。
妊婦がフラフラ出歩くな?
久しぶり?
どうしたの?
大丈夫?
元気だった?
結婚おめでとう?
どれがいいのか、まったくわからない。
「千世…?」
「…ふぁっ!」
名前を呼んでみると、千世はびくっと震えて、赤い顔で凜を見た。
思い出す、幸せな時間を。
「何してるの…?」
「凜…」
千世は小さく息を漏らす。
千世の白い頬に、涙が零れた。
「会いに来てくれたの…?」
千世は小さく頷く。
最初のコメントを投稿しよう!