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あれは本当に自分たちが知る沢田綱吉なのだろうか・・・
変わり果てた教室と教室を変わり果てた姿に変えた張本人たちを見ながら彼らはそう思うのだった
ことの始まりは今日最後の授業中のことだった
授業中というのは元々静かなものだがここ1-Aはありえないほどの静寂と緊迫感に包まれていた
原因はというとクラスの一人沢田綱吉にあった
普段はダメツナとしてクラスでも注目を浴びることのある彼だが今日は違う意味で注目されていた
彼の機嫌を損ねてはいけない
それがクラスの人間の頭の大部分をしめていた
いつもはドジばっかりの馬鹿な沢田綱吉だが今日は朝から雰囲気が違った
誰も寄せ付けないピリピリとしたオーラーが彼からにじみ出ている
そんな彼のオーラに気が付かない愚かな教師がかれこれ六人ほど保健室送りになり朝から自習が続いている
だからといって鉛筆の走る音や誰かの話し声などまったくしない
本当に本当の静寂が続いていた
しかしそれも今、この瞬間に一つの放送で終わりを告げる
『1-A沢田綱吉、今すぐ応接室に来なよ』
泣く子も黙る並盛中学校風紀委員長、雲雀恭弥
いくら今日は雰囲気の違う沢田綱吉でも雲雀恭弥からの呼び出しには従うだろう
やっとこの重苦しい空気から抜けだせる
そう思い沢田綱吉の様子を伺えば彼は放送など聞こえていなかったように窓の外を眺めていた
普段の彼ならば一目散に駆け出していただろう
だがここにいるのはいつもの沢田綱吉ではない
どうしたものかと考えていると二度目の放送が鳴った
『1-A沢田綱吉、早く来ないとかみ殺すよ』
一度目の放送より若干機嫌が悪そうに聞こえる
それはそうだろう
自分の呼び出した人間が来ないなどあの雲雀恭弥に今まであるはずが無い
そんな命知らずな人間はこの並盛中にはいない・・・はずだった
だが実際に自分たちの目の前に存在してしまっている
ここに雲雀恭弥がやってくるのも時間の問題だろう
「失礼するよ」
とうとうやって来てしまった
雲雀恭弥が来たことでクラス内が今日初めてざわめいた
しかし呼び出された本人の沢田綱吉は完全に無視をしていまだに窓の外を眺めている
「僕が呼び出したのに来ないなんてどういうつもり?」
話しかけられてもまったく反応しない
だんだんと雲雀恭弥が沢田綱吉に近づいていく
「ねぇ、聞いてるの?」
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