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「新聞紙」
ほら、死亡記事ってよく書いてあるだろ。俺アレの担当なんだ。と高橋くんが言った。高橋くんとは大学生の頃からの友達で、大学時代に同じサークルに入っていた。
彼が言うには、
「たまにあれ嫌な事があるんだよ」
「しゃべるんだよ。新聞紙が。うめくような声で読み上げるんだ。夜一人でいるとよく聞く」
「また、嘘だろ」
「俺の前の担当も聞いている。でいやになって辞めて俺におはちが回って来たんだよ」
「嫌だろ」というと。「たまにあの声が頭についてな。でももうなれた」という。
私なら慣れたくはない。
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