12月17日

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 「兄さん! 兄さん起きなよ! 学校遅刻しちゃうよ!」  おかしい…何かがおかしかった。  聴こえてはいけないような…けど、その声は懐かしさを思い出させる声だった。 「羽衣なのか…?」 「あれ…? あれれっ!? 何で!? どうして!?」  とても困惑しているような顔を俺に向けている。まるで見えてはいけないものが見えてしまった気分なのか。  いや、それは逆か。  脳が覚醒し、ようやく考えがまとまる。  この子は俺の義妹、音野羽衣だ  …ってそんなことはどうでもいいんだよ…、いや俺にとってはどうでもよくはないが…。  羽衣がいる…これは現実か?  でも羽衣は…今、目の前にいるんだ。羽衣は死んだ筈なのにここにいる。 ──俺の目の前に。 つまりはこう。 ─幽霊だ。
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