僕と私のコンタクト

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メール受信を告げるライト。ドキドキとワクワクの入り混じった感情を乗せた指は受信ボックスを開く…「違う…彼からのメールじゃない」彼からのメールを全く受け付けない携帯はサイトからのメッセージありを通知している。彼も忙しいから…待つしかない。言い聞かせて何日…いや何週間経つだろう。もうハッキリとわからなくなっているところを見ると、最後の連絡からかなりの時間が過ぎた事がわかる。仕事やプライベートに邪魔をしないように電話は避けていたから、2人を繋ぐ手段はメールが主で…と言うがその唯一の手段も活用のないままである。落胆を隠せないまま私は通知されたアップに接続した。 『ありがとう(^人^)俺でいいならいつでも教えるよ😁👍』 さっき、サイトで見つけた人『S』からの返信メール。「世の中にはこんなすぐ返す人もいるのに…何なの!うちの彼は!こんなに放置されて…ホントにうちらは付き合ってるって言えるのかな。そっちがそうなら、こっちはこっちで楽しくやらせてもらう!」苛立ちながらも返信を打つ。 『マジですか😆⁉何年か振りにやりはじめたんですけど…一緒行く人も居ないし、教えて欲しいしで、探してたんです😆』 彼『S』はボードが好きな年上。プロフィールから察して…面白いそうな男性。ナイターがメインならもしかして時間合うかも…。だが…ホントに教えてくれるのか不安である。と、言うものの、地元に戻ってから周りをみてもボードをする友達も居ないし、いつも休みは合わない…ヒトリストでスキー場に行き、虚しい気持ちになる。最初は勘を取り戻すのに必死で周りなど眼も暮れず滑っていたが、疲れて休憩していると彼らしき人と楽しげに話す女性…女の子同士話す楽しげな雰囲気。女ヒトリストで黙々と練習していても声をかけてくる男は居ない。容姿には…正直自信など微塵もなく、いつもヒトリスト…。もしかしたら、『S』なら私と休みが合うかも…淡い期待でメールしただけである。他にも何人かにメールしようか悩んだが、とりあえず…『S』とメールしてみようかな…と思いながら、また彼からのメールをじっと待っていた。
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