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◆ 昭和58年11月23日 私……園崎魅音は今人生で一番動揺している事だろう。 あーもうどうしてばっちゃとお母さんが親族会議で留守の時に限ってこんな事が起こるのだろうか。 つくづく恵まれてないよ、いや本当に。 園崎家の葛西の部下の話によると中国が日本に戦線布告をしたというのだ。 情報封鎖が成されている中でよくこれだけの情報が手に入れれたものだと感心する。 攻め込んでくる理由はどうやら雛見沢症候群が中国に発覚して、虚構橋事件で先に手を出したのは日本だという事になったかららしい。 これが本当なら大変な事になる。 雛見沢のせいで……戦争が起きてしまうのだ。 これは何としても止めなくてはいけない事態だが、戦線布告されたとなればもう手遅れだろう。 戦争はもう止める事ができない。ならばお魎がいない今私がすべき事は村人達の安全の確保だ。 もし雛見沢が発端で戦争が起きたのならここが狙われてもおかしくないからだ。 私は葛西を呼び出して直ぐに指示を出した。 「葛西、組の者を総動員して食料と水の確保!それからできれば日用品、医療品、消火器類を集めてきて!それから御三家と重鎮の招集もお願い!」 「承知しました」 そう言って葛西は足早に部屋を出て行った。 戦争が始まるのならもはや雛見沢で安全なのは地下祭具殿しかありえない。 その地下祭具殿ですら陸から攻めてこられたらひとたまりもないであろう。 敵が空爆だけで済ませてくれる事を願うしかない……。 今現在雛見沢の安全は私の手にかかっている……。 つまり私がしっかりしなければならない、もうばっちゃの後ろに隠れてはいられないのだ。 私が……雛見沢を守る――。 例え日本中が戦火に包まれようが、ここ雛見沢だけは守り抜くんだ。 それが私……雛見沢御三家の園崎家としての責任、いや何よりも私はこの村が好きだから。 中国なんかに好きかってにさせられるか! 私はそう決意を固めた後、これから行われる御三家会議のための準備を始めた。
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