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◆
「り……梨花ちゃん。それは本当の話なのか?」
「全部本当の話なのです。中国と戦争が始まった時ここも狙われて危険になるから地下祭具殿に避難しろとさっき村長の公由に言われたのです」
梨花ちゃんの話はそう簡単には信じられない話だった。
日本が中国と戦争?
「中国って言えば最近急成長してる軍事国家じゃねえか! どうしてそんな国と日本が戦争しなきゃならねえんだ?」
「あうあう、梨花もわからないのですからそんな大声で聞かないであげてくださいなのです」
「あ……すまねえ梨花ちゃん」
羽入のおかげで梨花ちゃんが俺の大声でびっくりしている事に気付いたので急いで謝った。
後で羽入にお礼を言わなきゃな。
「全然気にしてないのですよ、にぱ~」
そう言って梨花ちゃんは微笑んだ。
本当……こんな切羽詰まった状態で混乱しっぱなし俺とは違ってみんなは強いよな。みんなの表情を見回して改めてそう思った。
「圭一君、今大事なのは何故戦争が起こったかじゃない、これからどうするかだよ」
「そうですわね。いつその中国という国の人達が襲ってくるのかが分からないなら急いで避難をするべきですわ! 梨花! 地下祭具殿って何処なんですの? 」
「こっちなのです! 着いてきてくださいなのです!」
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